【7月17日 AFP】フランス・パリ市内で6日から11日まで14/15年秋冬パリ・オートクチュールコレクションが開催された。

■モデルの多様性にも注目、 「セルカン・クーラ」

 黒人やアジア人、混血のモデルなどを多数起用することで知られるベルギー人の若手デザイナー、セルカン・クーラ(Serkan Cura)が10日、新作を発表した。

 ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)やイマン(Iman)といった黒人のスーパーモデルが、ファッション業界における人種の偏りを非難して1年も経たないうちに、クーラは自身のコレクションにさまざまな人種のモデルを使うことを決断した。

 クーラの今回のショーのモデル17人のうち、9人は黒人か混血のモデルで、3人がアジア人、5人が白人だった。さらに白人のうち1人は赤毛だ。

「多様性を見せることは私にとってとても重要です」と、キュラはショーの後、バックステージでAFPに語った。

 昨年9月、ナオミとイマン、元モデルで現在は活動家のベサン・ハーディソン(Bethann Hardison)は、世界のファッション関連の団体に手紙を送り、「有色人種のモデル」が少ないとしてブランドを糾弾。仮に意図的ではないにしても、「人種差別」にあたると非難し、「どのシーズンでも各ブランドは有色人種のモデルを1人ないしまったく使っていない」と訴えた。

 トルコ生まれのクーラは、他のデザイナーたちの主張に反し、白人以外にもショーに起用したいモデルはたくさんいると語る。「ショーでお見せしたように、(白人以外にも)モデルはたくさんいます!」

 今季、ガチョウや青サギ、ダチョウ、マラブーといった羽根に、エジプトにインスパイアされた大ぶりのジュエリーを合わせ、ドラマチックなルックを見せたクーラ。1着で、15キロの羽根を使用した服もある。「羽根があれば、イマジネーションは何でも形になります」

■マッシモ・リストにインスパイア、「ラルフ&ロッソ」

 同日、オーストラリア人デザイナーのタマラ・ラルフ(Tamara Ralph)とマイケル・ルッソ(Michael Russo)が手がける「ラルフ&ルッソ(Ralph & Russo)」も、イタリアのインテリア・フォトグラファー、マッシモ・リストリ(Massimo Listri)にインスパイアされたコレクションを発表。裾を引きずるボリューミーなシルクとサテンのドレスや、1950年代のムードを取り入れた膝下丈のドレスを披露した。デザイナーの2人は、リストリの「遠近感とディテールへのこだわり」に影響を受けたと言う。

 特徴的だったのは、コラムドレスやスカートのまわりにらせん状にあしらわれたレイヤードのフリルで、まるで浮いているようかのようだった。また、ファインパールとクリスタルの装飾が輝く、メタリックシルバーのフィッシュテイルドレスも印象的だった。

■「ディーチェ・カヤック」のデビューコレクション

 一方、オートクチュール新人のトルコ系フランス人デザイナー、ディーチェ・カヤック(Dice Kayek)はモダンで詩的な「ウィンター・ガーデン」と題したコレクションでデビューを飾った。モデルたちは「生きた花」として、冬の庭に息吹を与えた。

 プリーツが入ったオーガンザの布は柔らかく幻想的な雰囲気を生み、パールや吹きガラスが雨の雫のようにきらめいた。

 今季は期間中、約30のコレクションがオートクチュール・コレクションを発表した。会場には、ショーン・ペン(Sean Penn)とシャーリーズ・セロン(Charlize Theron)のカップル、エマ・ワトソン(Emma Watson)、マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)、オリビア・パレルモ(Olivia Palermo)、ケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)といったセレブらが姿を見せた。(c)Helen ROWE