【7月3日 AFP】デザイナーのニコラ・ジェスキエール(Nicholas Ghesquiere)氏が伝説的ブランド「バレンシアガ(Balenciaga)」に新たな命を吹き込んだ15年間、ニコラとバレンシアガは業界で最も息の合ったコラボレーションを見せていた。

 しかし「バレンシアガ」と、同ブランドを26歳という若さで任された並外れた才能の持ち主であるニコラというファッション界の2大ビッグネームは、今週フランス・パリ(Paris)の法廷で対峙(たいじ)することになった。

 「バレンシアガ」側は、ニコラが契約違反を犯したとして提訴し、950万ドル(約9億6300万円)の賠償金の支払いを求めている。

■ファッション誌のインタビューで批判的なコメント

 AFPが入手した裁判所文書によると、「バレンシアガ」側はニコラが、英ロンドン(London)に拠点を置くファッション誌『システム(System)』による一連のインタビューで「慎みとデリカシー」を欠いた表現をしたと訴えている。

 パリの民事裁判所で行われる同裁判は、「バレンシアガ」側のスケジュールを考慮し、6月29日まで開催されていたメンズ・ファッションウィークと、来週始まるオートクチュール・コレクションの合間に開廷される。

 クリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)が創設したこの歴史的ブランドのクリエーティブディレクターにニコラが任命されたのは1997年。彼の貢献により「バレンシアガ」は業界内での名声を取り戻したと言われている。

 しかし2012年末になって、ニコラと同社の「不和」が露見。同社はニコラとの契約解除の賠償金として880万ドル(約8億9000万円)を支払うことに合意した。