【10月25日 MODE PRESS】最近、テレビの出演依頼が増えている。しかも男性美容というニッチなテーマで。まあ、お声がけいただくのはうれしい。有名になるというよりも、感謝の念から。

-コントロールしたがる女たち

 さて、この前、自分が出演した番組を視聴しながら、ツイッターのハッシュタグや検索サイトのリアルタイム検索を使って、同時に視聴している人々のコメントを拾ってみた。その時の番組内容は、男性の洗顔の仕方と保湿について特集するものだったのだが、その反応が種々あって、おもしろかった。肯定的な意見が大半だったが、否定的な意見もちらほら。概ね男性は好意的に受け止めていたのに対して、女性からの反発が結構あった。でも、これは想定済みのこと。

 今回のテーマである「男性がスキンケアを始める理由」は、女性なくして語ることができない。最近の男子高校生のスキンケアの先生は母親や恋人なのだとか。彼女たちは一緒にいる男性を“身ギレイ”にキープしておきたいと願っている。それは言ってもムダだと感じているパートナーや父親に幻滅して、自分のコントロールがきく相手に熱心に指導したがるということだろうか。

-男がスキンケアを始めるワケとは?

 もちろん、自発的にスキンケアを始める男性もいる。ひとつは思春期を迎えて異性を意識するようになったころ。ホルモンバランスが変わるので、ニキビができたり、皮脂が増えたり、体毛が増えたりする。これらを解消させたいと願っている層だ。まあ、ここの動機にも女性は大きく関わっているわけで……。次に多いのは中年を迎えて衰えを感じ始めた人々。薄毛や肌のかさつき、シワ、シミ、たるみなどトラブルとして浮上してきたときだ。どちらもトラブルが先にあるタイプ。

 また、最近、増えているのが、上記の2つに属さず、社会的な要因としてスキンケアを始める大人の男性たち。これは前回の「なぜ、今、メンズ美容なのか?~肌がビジネスツールになる時」に詳述したが、肌をビジネスツールとして捉え、積極的にスキンケアを取り入れていこうとする新勢力といってもいい。清潔でいることはコミュニケーションを図る上で、必須の条件だからだ。まあ、これにも女性の社会進出が大きな要因になっていることは間違いない。

-男のスキンケアの中止に女の影あり

 とはいえ、始めるきっかけがあれば、やめるきっかけもあるわけで。そこにも女性が大きく関わっている。よく言われるのが「男がそんなことするなんて……」「男らしくない」という性差別型。これ、本当に多い。もちろん女性だけではなく、同性からもこれは言われること。それが自分のポリシーのある事柄だったら、他人の干渉なんて気にしないはずだが、スキンケアという不得手な領域だと、男性はつい気弱になってしまう。

 次に多いのが「あー、そんなやり方じゃダメ!下手ねぇ~」「高いンだから、アタシのは使わないで!」という説教・攻撃型。男性のスキンケア自体は許容していても、男性は不慣れなりに、一生懸命やっているのに注文をつける女性も多く存在する。

もちろんそれは、今まで様々な経験を積んできた女性からのありがたいお言葉であるのだが、多くの男性はケチをつけられたと誤解してしまうことが多い。特に中年以降にスキンケアを始めた場合だと、変なプライドが邪魔をして、その有用な意見を素直に受け取ることができない。ウブな高校生には有効かもしれないが、頭の固くなった男性はいろいろ言われると、「面倒だ」と言ってスキンケアをやめてしまうことが往々にしてある。それも、極端にすべてをだ。これはとてももったいない。

-スキンケアは家事のように誘導する

 ただし、褒められるとうれしくて、きちんとケアするという男性も多い。ようは男は単純。「家事を夫に手伝わせよう」と考えるとわかりやすいかもしれない。貶さず褒める、これがコツ。男ってめんどうくさいほど、シャイ。そして、頑固。さらにムダにプライドだけ高い。ちょっとした他人の言葉に、しかも、それが女性からなら余計に傷ついて意固地になってしまう。

 女性のみなさん、もしパートナーに清潔でいて欲しいなら、こと身だしなみやコスメに関して、男は子供だと思って、優しく温かい目で見守ってあげてください。そう、母親のように。【藤村 岳】

プロフィール
DANBIKEN~男性美容研究所~を主宰する男性美容研究家。 男性の身だしなみの専門家としてテレビ・ラジオの出演や、雑誌・ウェブでの執筆活動を行う。「美しくなるよりも、嫌われない美容」が男性には必要とのモットーがあり、やりすぎない男性美容を提案している。 また、男性のためのパーソナルカウンセリングや講演・イベントなども開催。 最近は男性コスメ商品の企画開発、コンサルティングなども行っている。
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【関連情報】
第1回「なぜ、今、メンズ美容なのか?~肌がビジネスツールになる時」
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