【6月29日 AFP】仏高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(Moet Hennessy Louis VuittonLVMH)などが、米ネット競売最大手イーベイ(eBay)のウェブサイト上で偽ブランド品が取引されているとして同社を提訴していた裁判で、パリ(Paris)の商業裁判所が30日、判決を下す。イーベイ側に損害賠償5100万ユーロ(約85億5000万円)の支払いが命じられるかどうかが注目される。

 30日に予定される判決は、イーベイに対して起こされている多くの訴訟の一つ。3件の訴えについて、審理内容が類似していることからまとめて下される。

 2つの提訴では、LVMHグループのハンドバッグ・かばん部門、「ルイ・ヴィトン・マルティエ(Louis Vuitton Malletier)」と同じくグループ傘下のクリスチャン・ディオール・クチュール(Christian Dior Couture)が、イーベイの対策が不十分だとして、それぞれ2000万ユーロ(約33億5000万円)と1700万ユーロ(約28億5000万円)を求めている。

 またもう1件は1年半前に始まった裁判で、同グループ内の香水ブランドであるディオール(Dior)、ゲラン(Guerlain)、ジバンシー(Givenchy)、ケンゾー(Kenzo)の各社が、イーベイの不当販売を訴え、計1400万ユーロ(23億5000万円)を求めている。

 原告側はいずれも、イーベイの利用者が有名ブランド品を模倣した偽のバッグや口紅、香水、高級衣料などを売買していることをイーベイ側が知っていて放置していたことに加え、香水各社は本物をネット競売で取引させていたことも正式な販売網の侵害にあたり違法だと訴えている。

  イーベイは39か国で展開、世界で約8400万人のユーザーが活発に利用している。同社によると同競売サイトの2007年の取引高は合計600億ドル(約6兆3700億円)相当だったという。(c)AFP