【12月20日 marie claire style】先日、生まれてはじめてオーストラリアを訪れた。これまで自分と深い結びつきを持っていたヨーロッパと異なる雰囲気は心地よく、サステイナブルな食材やコスメ、温かな人々に感動した。そして何より、目をみはるほどの大自然が私を迎えてくれた。雄大なそれを前にして心に翼が生えたような感覚を抱いた私は、メイクアップを脱ぎ捨てたいという旅特有の衝動に駆られた。飾り気のない、極めて純度の高い自身の姿はそのままに、旅先でも女性らしさを忘れたくないときは必ず香水の力をかりる。それも究極のフェミニニティを感じるものを、だ。

 今冬、誕生14年目となる「ディオール」の名香"ジャドール"が調香師フランソワ・ドゥマシー氏によって再解釈された。高まるフェミニズムのムーヴメントを受け、高貴さのなかに動物的な躍動感を秘めたジャスミンと、溶け出す蜜を彷彿とさせるマグノリアが円を描くように重なり合う"ジャドール アブソリュ"が誕生した。戦時中に女性であることを抑圧された人々に向けて1947年に発表された"8ライン"コレクションを継承するアンフォラ ボトルもまた、ネックレスとドレスを思わせる曲線を新たに帯びた。シャーリーズ・セロンによるコマーシャルフィルムはこの約10年間で、1人で演じていたものから多種多様な美しい女性たちが登場するものへと変わった。多くのフレグランスが刷新される昨今だが、今回の煌めき溢れる香りは群を抜いている。どこにいても、どの時代においても、纏うだけで女性らしさを想起させる普遍性を携えた香りは、旅のパートナーとするにはこの上なくふさわしい。世界中どこにいてもゴールドのひと振りで自分らしさ、ひいてはセンシュアリティを明確に表現できるからだ。

 コラムのタイトル通り、美を探求する旅はこれからも続くだろう。この香りと歩みながら焼きつけられる情景と記憶の果てに、普遍的なフェミニニティの答えは見つけられるだろうか。

■お問い合わせ先
パルファン・クリスチャン・ディオール/03-3239-0618

■プロフィール
小西俐舞ナタリー(Nathalie Lima Konishi)
フランス人の父を持つビューティアクティビスト。モード系美容誌編集を経て独立後、日本や海外の美容媒体をメインに、コレクション速報や取材現場で得た美容メソッドなどを中心に執筆中。レインボータウンFMのラジオ番組「Nathalie’s Beauty Talk」では第2木曜と第1土曜にフランスの最新情報などを紹介している。

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(c)marie claire style/selection, text, photo: Nathalie Lima Konishi