【11月8日 marie claire style】私の母親は誰でも使えるようなフィルムカメラで、幼い私のことをよく写真に撮り、アルバムにして残しました。記事全文へ

【11月8日 marie claire style】私の母親は誰でも使えるようなフィルムカメラで、幼い私のことをよく写真に撮り、アルバムにして残しました。

 小中学生の頃、修学旅行では使い切りカメラの「写ルンです」で写真を撮りました。

 高校生になると、写真はもっぱら携帯電話で撮るようになりました。いつか今はもう使わなくなった携帯電話を充電して見返す時がくるのでしょうか? プリクラはたくさん撮りましたが、見返す気はなぜか起こりません。

 その頃、私はファッション雑誌やカルチャー雑誌に夢中になり、好きな写真家を見つけては、その人の写真集を探すようになりました。

 それから美大に進学して、写真を美術館やギャラリーで見るようになりました。それは写真を"見る"というよりも"出会う"といったほうが近い体験でした。それまで雑誌や写真集、コンピューターや携帯電話の画面で見ていた写真とは、まったく違いました。絵と違って、何枚もオリジナルを複製できる写真というものを、私はたぶんナメていたのです。今までに見たことがある写真も、プリントとして目の前に現れると、初めて出会ったような感覚になりました。今まで見ていたものとは色も違うし、ディテールを感じられるのも楽しいし、プリントの質感によって印象も変わってきます。なによりも驚いたのは、小さかったり大きかったり、サイズが違うというだけで、まったく異なる写真に感じられてしまうことでした。

 今年の夏、軽井沢町の隣の御代田町で「浅間国際フォトフェスティバル」が開催されました。国内外の写真家が"見るだけじゃない写真"を開拓していました。自然の中で空気や光を感じながら写真を体験していると、写真って変なものだな~と楽しくなりました。

■Recommend/「オルセー美術館特別企画ピエール・ボナール展」
会期: ~2018年12月17日(月)
会場: 国立新美術館
お問い合わせ先: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://bonnard2018.exhn.jp/

■プロフィール
前田エマ(Emma Maeda)
1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中より、モノづくりという観点から、雑誌のディレクション、ショーやイベント、ファッションブランドのモデルをつとめる。ほかにもエッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない様々な活動が注目を集めている。Now Fashion Agency所属。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Emma Maeda

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