【9月27日 marie claire style】「本でアート」の3回目! 前回は"表現したいことがないけれど美大へ行きたい絵が下手な女子高生"だった私の救世主『まねぶ美術史』(森村泰昌著 赤々舎)について書きました。「学ぶことは真似すること。それを極めた先に自分の表現と出会えるのかもしれない!」と胸が高鳴った私を、さらにウキウキさせた本が今回紹介する『たのしい写真 よい子のための写真教室』です。 

 私が写真を撮るようになったのは高1の頃。高校が大嫌いでよく仮病を使って欠席し、ベッドの上でゴロゴロ時間を持て余していたとき、「このままじゃゴミ人間だ。少しでも身体を動かさなくちゃ」と外へ散歩に出ました。そのときになんとなく使い捨てカメラを持って行ったのです。写真を撮ろうと構えると、いつもと世界の見え方が少しだけ違うような気持ちになりました。ゴミのように寝転んでいる時間にも、太陽が動いて光が傾き、風が吹いて木々が揺れている、そんな当たり前のことに心が興奮したのです。

 それからは雑誌を見るときに写真家の名前をチェックしたり、写真集も手にするようになりました。そこで生まれたのが「好きな写真、嫌いな写真はあるけれど、よい写真、よくない写真ってどういうことなんだろう?」という疑問でした。

 そんなときにこの本と出会いました。この本は大きく分けると二部構成になっています。前半は"今日までの写真史を簡単にザッと学ぶ"、後半は"写真史の中に登場する名作を自分なりに真似して撮ってみる"学んで真似る、です。

 この本を読んで真似してみた後の世界は、高校時代にカメラを持ったときをはるかに超える楽しさで溢れました。

 スマホで誰でも写真が撮れ、大量の写真に触れることができるこの時代に、写真を「見る目」を少しでも手に入れることができた嬉しさが今でも私を包むのです。

■Recommend/「『建築』への眼差しー現代写真と建築の位相ー」
会期:~2018.10.8(月・祝)
会場:建築倉庫ミュージアム
お問い合わせ先:03-5769-2133
https://archi-depot.com

■プロフィール
前田エマ(Emma Maeda)
1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中より、モノづくりという観点から、雑誌のディレクション、ショーやイベント、ファッションブランドのモデルをつとめる。ほかにもエッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない様々な活動が注目を集めている。Now Fashion Agency所属。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Emma Maeda