【6月14日 AFP】仏ラグジュアリーブランドである「クリスチャン ルブタン(Christian Louboutin)」の代名詞とも言えるヒールの底が赤い「レッド・ソール」の商標権が12日、欧州司法裁判所(European Court of Justice)で認められた。

「クリスチャン ルブタン」のデザインに似たシューズをオランダのシューズメーカー「ヴァン・ヘイレン(Van Haren)」が販売したとして、「クリスチャン ルブタン」は同メーカーを相手取りオランダで訴えを起こした。その後訴訟は欧州司法裁判所へと付託された。

 仏パリを拠点とする「クリスチャン ルブタン」は「レッド・ソール」を25年以上販売しており、消費者主義を賛美した米テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(Sex And The City)』でフィーチャーされたこともある。

「『クリスチャン ルブタン』が勝訴したと正式に発表します。オランダの同ブランドは商標権を尊重しなければなりません」と欧州司法裁判所の報道官はAFPに話した。

「クリスチャン ルブタン」はこの決定を称賛し、「メゾン『クリスチャン ルブタン』の勝利だ」とした。

 長年にわたり繰り広げられた法的論争は、「クリスチャン ルブタン」の商標権が欧州連合(EU)の法律の下では、その形が対象なのか、色が対象なのかが論点となっていた。

仏・パリ市内にあるクリスチャン・ルブタンのブティック外観(2012年12月15日撮影)。(c) AFP PHOTO / JACQUES DEMARTHON

「クリスチャン ルブタン」は2010年に商標登録を申請。その後2012年に「ヴァン・ヘイレン」が、底が赤いハイヒールをオランダで販売し始めたことを受け提訴した。オランダの同ブランドは、欧州の規定では商品の形自体は商標登録することができないと反論。これを受け、オランダの裁判所は欧州司法裁判所(ECJ)に意見を求めていた。

 これに対して「クリスチャン ルブタン」は色を――この場合にはパントン(Pantone)18 1663TPと名付けられた赤い色を商標登録することは可能だとした。また、問題となってた「形」に関しても、靴底のどの部分が赤く着色されているか示していると反論。

■明らかな勝利

 ルクセンブルク(Luxembourg)の裁判官は12日、2月に赤い靴底は商標登録できないとした欧州司法裁判所の法務官の公式発言に反対する姿勢をとった。

 今後オランダの裁判所は最終決定を下さなければならないが、「クリスチャン ルブタン」は決定を歓迎しているとした。「明らかな勝利でとても満足できるもの」だとブランドの広報はAFPに対し語った。

 欧州司法裁判所が「形の商標登録に関する法律は『クリスチャン ルブタン』の『レッド・ソール』には適応されないと公式に発言した」と同ブランドは明かした。

「ハイヒールの靴底の赤は『クリスチャン ルブタン』が長年保ってきたブランドの象徴。メゾンはこの判決を温かく迎えたいと思います」(c)AFP/Danny KEMP