【5月11日 AFP】 チュニジア出身の伝説的デザイナー、アズディン・アライア(Azzedine Alaia)が亡くなって6か月が経った。彼に捧げる展覧会が5月10日、英ロンドンで開幕した。同展覧会では、白いフードのドレスなど、今ではファッションアイコンとなったドレスが展示されている。

 今年10月7日まで開催される「Azzedine Alaia, The Couturier」展は、アライア自身が生前選び抜いた60点の作品を展示。1980年代初めから2017年までのアライアの作品を通して、ファッション業界を特徴づけたアライアのキャリアを振り返る。

 最期まで完璧主義だったアライアは、この世を去る前、オランダのグローニンガー美術館(Groninger Museum)のキュレーターであるマーク・ウィルソン(Mark Wilson)氏と共に展示作品をピックアップした。

「アライアはこの展覧会のために、全作品をマネキンに合わせて作り直した。彼はカットとフィットのマスターだったので、マネキンに既存の作品を着せるだけでは満足しなかった」とウィルソン氏はAFPに語った。

「彼は本当に彫刻家のようで、体に合わせて作業をした。彼にとってはカットが全てで、服がどのように女性の体にフィットするかを大切にしていた」

 エレガンスとフェミニニティーを称賛したアライアは、類い稀なるその才能で女性に「力」を与え、ドレスはその証なのだとウィルソン氏は話した。「彼は女性を愛していた。女性を美しく、パワフルにしたかった。だから彼は女性に愛された。――彼は女性に自信を持ってもらいたかったのだ」

 アライアはチュニジアで農家に生まれ、パリでの学費を稼ぐために近所の仕立屋で働いた。その後パリで、「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」で当時デザイナーをしていたイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の下で働いた。

 晩年は多くの忠実な顧客に支持され、表舞台から離れ自身のプロジェクトに尽力することができた。(c)AFP