【2月22日 marie claire style】雑誌の特派員としてパリに住んでいた1990年代に、ホテル・リッツのバーでパリ伯に会ったことがある。世が世ならフランス国王ともいえるアンリ・ドルレアン公は、いかにも悠然とした雰囲気の長身の紳士で、並外れた絵画の才能にも恵まれ、その展覧会のことでインタビューをしたのだと思う。

 今回、"スポーツの宮様"と親しまれた竹田恒徳を祖父にもつ旧宮家の竹田家の美貌の"プリンセス"、竹田浩子さんにお会いしたが、やはりパリ伯同様、超然とした雰囲気からしてすでにアーティストだった。明治天皇の玄孫にあたる浩子さんの父君は竹田恆正氏で、日本オリンピック委員会会長の竹田恆和氏は叔父にあたるという。

 学習院大学卒業後、父親の仕事の関係から一時オランダに住んでいた浩子さんは、帰国後もヨーロッパでみた花々が忘れられず、自然とフラワーアーティストの道に入ったという。本物の美意識に培われたひとなのだ。

「青山のNHK文化センターで教室を持っているし、銀座の『ミキモト』にもお花を飾りにいくなど、一日中結構忙しくしています」

 従来の伝統的な華道とは異なり、新しい時代に合った独自のスタイルを得意とする浩子さんの生け方からは、一貫して繊細な感性が感じられて、一度そのエモーションに触れたら、すっかりこころを奪われてしまう。

「デン・ハーグの自宅の庭先に咲いていたチューリップの花が、忘れられない」と彼女はいう。

 自然の中の花のイメージを、そのままの姿でみせたい、という彼女の信念には、装飾過多は許されないし、そこには凜とした美しさが結集している。

「ミキモト」だけでなく、多くのラグジュアリーブランドの華やかなイベントが行われる空間をデザインするその創造力には、汲めども尽きないものがあるようで、いつみてもどこか異なる。

 旧宮家という重責を背負いながらも、これまで自分がみてきた美しいものの堆積の中から、エレガントな生き方を選んだ浩子さんには、日本が世界に誇る美しい"プリンセス"として、今後は海外でも活躍してほしい。

「祖父や叔父が関わってきたオリンピックで、私も何か役に立てたら嬉しい」

 繊細な外見からは想像もつかない、強い想いを感じさせる言葉だった。

 2児の母でもある浩子さんは、「子供にはとてもスパルタなの」といって笑った。

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(c)marie claire style/text: Kasumiko Murakami