【11月30日 marie claire style】パリのロワイヤル通りに、1930年代後半、「ロジェ ヴィヴィエ」という高級靴店が開店すると、そのソフィスティケートなデザインがハリウッド女優たちのこころを奪い、エヴァ・ガードナーやマレーネ・ディートリッヒが出入りするようになったという。2003年からは、その名店「ロジェ ヴィヴィエ」を、イタリアからやってきたシューズ・デザイナー、ブルーノ・フリゾーニが支えている。

 来日したフリゾーニに、表参道で会うことになった。

――シューズ・デザイナーになったきっかけについて。

「最初からシューズ・デザイナーを目指したわけではない。20歳でパリにやってきて、若くて見習いだったので、最初は色々なことをやらされた。そのうち僕には靴のデザインが合っている、と思うようになった。靴といっても、僕は徹頭徹尾シルエットにこだわるし、ファッションの一部として、重要なエレメントだと信じています」

――ロジェ ヴィヴィエ・スタイルとは?

「ソフィスティケートでフェミニン、そしてファンタジーやユーモアもある。シルエットは、哲学的といってもいいほど、考え抜かれています。クリーンなイメージといってもいい」

――インスピレーションの源は?

「ケーキや壁紙、羽根や刺繡、花柄のもの、新しい風景、そうしたものの中から、気になったものを取り出し、そこから靴のバックルが生まれたりする」

――過去のロジェ ヴィヴィエのコレクションをみたりしますか?

「もちろんです。小説と同じですよ。何度も見直していると、その時によって、これまでみえていなかったものがみえてきたりする」

――ロジェ ヴィヴィエのファンに、メッセージはありますか?

「メッセージはないが、欲望と機能性という要素を大切にして、デザインしていると知ってほしい」

――日本について。

「何度きても、日本にくることは僕には新鮮な衝撃です。美術館巡りもしたいが、いつも仕事だけで終わってしまう」

 パリでは「靴のフラゴナール」といわれ、ロココ期の繊細な雰囲気の絵画を得意とする名匠フラゴナールと、並び称されている。日本にロジェ ヴィヴィエ・ファンが多いのは、革新的なシルエットの中に細やかな美意識が光る彼のデザインに、日本文化と相通じるものがあるからかもしれない。ぜひ日本の美術館巡りもしてほしい。

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(c)marie claire style/text: Kasumiko Murakami