【11月9日 marie claire style】ニューヨークから始まり、ロンドン、ミラノ、そしてパリへと続く世界のコレクション・サーキットをまわっていると、総計100近くのコレクションショーを見ることになる。そんななか、ショーを見に来てよかったなと毎回思わせてくれるのが、ニューヨークで開かれる「マイケル・コース」のショーだ。

 2018年春夏のマイケル・コースのコレクションショーは、ニューヨーク・ファッションウィークの最終日に、太陽光が入るスプリング・スタジオで開かれた。ショーの始まる前にマイケル・コースにコレクションについてインタビューすることができた。

「今回のコレクションのインスピレーションは南国への旅からです。東京でも、香港でも、ニューヨークでもロサンゼルスでも、人々のファッションはどんどんカジュアルになっています。大都市の街中でフリップフロップ(ビーチサンダル)、服の裾を切りっぱなしにしたカットオフ、スウェットショーツのようなビーチスタイルを見ることができます。みんな都会で生活していても、仕事を考えなくていい暖かい土地へ逃避したがっていると思います」とトレードマークの黒のTシャツにサングラスをかけ、よどみなく語る。

 グラミー賞にもノミネートされたことのある実力派女性歌手サラ・バレリスが会場で歌うオーティス・レディングの曲「ドック・オブ・ザ・ベイ」をバックに、まさに南国から今帰ったばかりと思わせるクロコのビーチサンダルにコーラルピンクのタイダイ(絞り染め)のワンピースという、高級な素材を使ったリラックス感に溢れるルックからショーはスタートした。

 コレクションには多くのタイダイ、手染め、バティック(ろうけつ染め)など職人技を駆使した素材が使用され、ルーズでゆったりとしたドレスやオーバーサイズなジャケットが肩肘張らない快適さを演出。また、バッグもレザーを麦わらのようなかたちで使ったりと上質で手が込み、さらに贅沢なリラックス感を演出していた。

「南太平洋のボラボラ島にバケーションで行ったのですが、そこで大都会での生活と南のビーチでの生活とについて考えたのです。マンハッタンとマリブ、ビバリーヒルズとボラボラ島。この2つの要素を融合してみたのです。

 この複雑な現代世界の中で、ファッションは人々に夢を与え、服はロマンスを抱かせてくれるものなのです」

 人種も年齢も体形も様々なモデルが笑顔でランウェイを歩くマイケル・コースのショー。それは見るものをハッピーにし、ショーの後には清涼感さえもが残った。100近くあるコレクションショーの中でも、そんなショーにはなかなか出会えない。

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(c)marie claire style/text: Katsuto Tai