【9月28日 marie claire style】パリに住んでいる私たちにとって、夏のヴェルサイユは特に避けたい場所なのですが(だからこそ行きたいという人も多いですが)、宮殿のすぐ後ろにあるマリー・アントワネットの離宮(プチ・トリアノン宮や庭園、王妃の農村などを含めた敷地の総称)は対照的に本当に平和で夏の避難所と言えるでしょう。というのも、多くの観光客がヴェルサイユ宮殿までは行くのですが、おそらく宮殿からは遠すぎるという単純な理由で、庭園奥の離宮まで訪れないためとても空いているのです。そのちょっと遠いという距離感のおかげで、この場所はとても静かで風通しがよく、ゆっくりと当時の生活を想像できる空間なのです。個人的にはこの離宮へピクニックに来るのが好きで、庭園内の「アンジェリーナ」で買ったマカロンを食べて、約200年前のマリー・アントワネットと同じように庭園内を散歩するのが私のお気に入りの過ごし方です。

 プチ・トリアノン宮殿は当初マリー・アントワネットのために建てられたのではなく、ルイ15世の愛人ポンパドゥール夫人の住まいとして建てられました。その後、マリー・アントワネットが王妃になった時代に、夫のルイ16世からこの離宮を与えられ、彼女の趣味に改装されたのです。しかし、あまり多くの人を招待することもなく、彼女の秘密の隠れ家として存在していました。王妃は若く美しいスピリチュアル好きな貴族を集めたサークル活動を行い、数々のプライベートパーティーを開催したのでした。しかし次第にそれだけでは飽きたらず、プチ・トリアノン宮殿の隣に巨大な英国式庭園を造り、さらに鶏舎や酪農場を造り、完璧な農村の小集落を模したのです! サテン素材の首輪をした羊と、画家と建築家の妙技によってわざと古めかしい壁に仕立てられた農家を除いては、ほぼ完璧な農村のレプリカが存在していたのです! このディズニーランドのような農村仕様は当時の人々にかなりのショックを与えたそうです。なぜなら当時、フランスの本当の農村では飢えと寒さで困窮し、まさかそのようなものが存在するとは思いもしなかったからです。

 しかし、今日でもここは詩的で牧歌的な場所として残され、散歩をするには最高の場所です。もしあなたが幸運なら、マリー・アントワネットが愛したこの場所で彼女の幽霊に遭遇できるかもしれませんね。

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(c)marie claire style / photos: 107rivoli, Pauline Darley