【9月14日 marie claire style】今年6月、数年前にリニューアルオープンしたシャン・シュル・マルヌ城を訪れました。この城は私が大好きな歴史上の2人の人物が深く関係しています。1人はルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール、ルイ14世の愛妾として知られ、彼女が修道院に行くまで、王との純愛と悲痛の物語がこの城で繰り広げられました。その後、ルイ14世の娘の邸宅となりましたが、ルイ15世の時代には、もう1人の人物、王の愛妾でロココ様式をこよなく愛したポンパドゥール夫人の隠れ家となったのです。

 このように特別な女性たちが関わる城であるからこそ、室内の内装は当時を連想させる典型的な華やかさと、不規則な自然の流線美が奏でる美しい装飾で、ロココ様式の始まりがはっきりと見て分かります。城内の各部屋は18世紀の芸術品が飾られ、繊細な細密画と明るいパステルカラーが特徴です。この城は当時の面影をそのまま継承しているため、多くの映画撮影が行われ、とりわけマリー・アントワネットの映画のロケ地として幾度となく使用されています。

 しかしフランス革命期になると、一変してシャン・シュル・マルヌ城は城自体が差し押さえの対象となり、多くの家具が売り払われ、悲しいことに次第に荒廃していきました。この状況が改善されたのは19世紀末。裕福な銀行家兼コレクターであるルイ・カーン・ダンヴェールがこの城を購入、かつての栄光を再現するための復元作業に着手しました。以前の連載でお話しした当時の美術コレクター、ニッシム・ド・カモンドやジャックマール・アンドレと同様、ルイ・カーン・ダンヴェールはこの城に1900年代初頭のモダンで快適な要素を組み込みつつ、18世紀の豊かで個性的な内装美を取り戻したのでした。そしてこの時期に庭園も再設計され、家具から小物、彫刻に至るまですべての修繕を実行したのです。しかし、彼の死後、息子のシャルルが城を受け継ぐと、再び家具が売り払われ、最終的に国家へ遺贈されることになりました。そして長い年月が経ち、大規模な修復が終了して、2013年にこの城は一般公開されることとなり今日に至るのです。パリからそれほど遠くない場所ですし、間違いなく特別な歴史ツアーが実現できるはずですよ。

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(c)marie claire style / photos: 107rivoli, Pauline Darley