【6月15日 MODE PRESS WATCH】プラダ財団(Fondazione Prada)は、写真家・藤原聡志(Satoshi Fujiwara)の企画展「EU」を伊・ミラノのアートスペース「オッセルヴァトリオ(Osservatorio)」にてスタートした。記事全文へ

【6月15日 MODE PRESS WATCH】プラダ財団(Fondazione Prada)は、写真家・藤原聡志(Satoshi Fujiwara)の企画展「EU」を伊・ミラノのアートスペース「オッセルヴァトリオ(Osservatorio)」にてスタートした。会期は10月15日まで。

 藤原は1984年、兵庫県生まれ。2007年に大阪芸術大学芸術学部卒業し、2012年からベルリンを拠点に写真家として活動している。被写体からの焦点距離と自らの写真に対する特異な定義を通して、観察者に対する差し迫った重要な働きかけをし、フォトジャーナリズムの基準とドキュメンタリーだけの領域から離れたこれまでにない新たな表現を生み出している。

 本展のキュレーターを務めるのは、ルイージ・アルベルト・チッピーニ(Luigi Alberto Cippini)。“現在ヨーロッパの写真作品の独自性”の枠組みに代わるものを提案する。2つのセクションから構成され、1つ目のセクションでは2016年プラダ財団-ヴェネツィアで開催された実験的なメディア研究プロジェクト「Belligerent Eyes」のために委託制作された「5K Confinement」を再構築した作品を展示。2つ目のセクションでは、ヨーロッパのさまざまな首都で撮影された写真が集められ、視覚的暴力を描き出した「THE FRIDAY: A report on a report」などを含む、藤原の代表作が展示される。

 チッピーニは「現代の写真制作は、解像度や影響力、流通に関する厳格な基準に縛られているように感じます。欧州内あるいはその辺境で日々 社会事件や政治事件を記事にするフリーの記者が増えていますが、厳格な分類基準が存在しないにもかかわらず、彼らの作り出すイメージは、特定の美学、アクセス性、空間あるいはコンテンツの枠組みに依存しているように見えます。こうした制約は、新世代の写真家たちの活動を認め、支えることによって出版の可能性を高める一方、平均的で中立的なセンスの標準化につながっています」と語っている。

 多数の異なるシリーズからの作品を集めたアンソロジー展、ミラノに機会があればぜひ足を運んで。

■展覧会概要
・「EU」
期間:開催中~10月15日
時間:14:00~20:00(土日は10:00~)
会場:Osservatorio(イタリア・ミラノ)
電話:+39 02 56 66 26 34(プラダ財団)
入館料:10ユーロ(詳細は公式サイト参照)

■関連情報
・プラダ財団 「EU」展 公式HP:http://www.fondazioneprada.org/project/eu-satoshi-fujiwara/?lang=en
・藤原聡志 公式HP:www.satoshi-fujiwara.com
(c)MODE PRESS

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