【5月29日 marie claire style】レグランスというとフランスをはじめとするヨーロッパが中心と思われがち。けれど、「FUEGUIA 1833(フェギア 1833)」は、南米パタゴニア発。調香師のジュリアン・ベデル(Julian Bedel)が愛する詩やタンゴ、彼の人生に影響をもたらした自然や歴史、文化、人物などからインスピレーションを得てつくったラグジュアリーなフレグランス。生産時に入手可能な、最高峰の天然原料のみを厳選したリミテッド・エディションであり、すべてのボトルにシリアルナンバーが刻まれているのもユニーク。エディションごとに異なる繊細な違いや揺らぎこそ、正真正銘、植物由来であるという証し。ワインのように、その年の気候や土地によって違うニュアンスを放つのだ。

 いくつかの香りをテイスティングしてみて思うのは、花や木々の香りが、シンプルに漂ってくるとともに、ダイナミックで力強い自然の生命力が伝わってくること。穏やかさの中に、独特のインパクトがあるのだ。聞けば、ジュリアン氏は、単なる調香師ではなく、芳香性や薬効のある植物のリサーチに力を注ぎ、ウルグアイにボタニーを開設。そこでは100種を越える南米生育の植物を栽培し、今までにないエキゾチックな原料の開発にも取り組んでいるという。香料の抽出にも、環境を害する恐れのある方法を避け、低温で蒸留するなどの方法を採用。そして、ミラノにあるフレグランス・ファクトリーで調香し、開発や生産までをミラノでしている。

 そんな「FUEGUIA 1833」の新作コレクション「MUSKARA(ムスカラ)」のテーマは、フェロモンの模倣。香りの分子が、神経系にどのような刺激をするか? という医学や生理学の発見をもとに、ただ心地いいだけのフレグランスとは一線を画する調香を展開。ムスクとかフェロモンと聞くと、重く甘ったるい香りを想像してしまうが、実際に嗅いでみると、まるで肩すかしをくらったよう。軽さと透明感があり、すーっと心の襞に入ってくるよう。そして、静かに穏やかに私たちの嗅覚を揺さぶり、潜在的な力を呼び覚ます・・・。

 日本国内のショップは、六本木にあるグランド ハイアット 東京の1階ロビーのみ、というエクスクルーシブなところも「FUEGUIA 1833」の魅力。フレグランスはもともとつける人によって印象が異なってくるものだけど、「FUEGUIA 1833」のフレグランスは、よりパーソナルな存在。肌と一体化するようになじみ、自分だけ、自分ならではの研ぎすまされた個性を放つことができる。シンプルで美しいボトルも芸術的だ。

■関連情報
・FUEGUIA 1833 公式HP:www.fueguia.jp
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(c)marie claire style/photos & text: Mayumi Kurata