【5月25日 marie claire style】以前にもこのコラムで取り上げた「GINZA SIX」が開業しました。銀座・松坂屋跡地にできた大型複合施設は、地下2階から地上6階までと13階の一部が商業施設。広さは約47,000平方メートル。年間で約600億円の売上高、来館者数約2,000万人を見込んでいるといいます。

「ディオール(DIOR)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「フェンディ(FENDI)」「ヴァン クリーフ&アーぺル(Van Cleef Arpels)」「セリーヌ(CELINE)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」といった6つのラグジュアリーブランドの旗艦店を含め、全部で241のテナントが出店。今までにない商業施設の誕生となり、銀座の新たなランドマークになるのは間違いないでしょう。

 最近は若い人たちをメインに、ネットで購買をする人が増える中、わざわざ銀座まで出向かせ、買い物を楽しむ人を創出するという大きな狙いは、訪日外国人観光客を乗せた観光バスの乗降スペースまで設けたところからも明らか。内覧会は4月14、17、18日と3回にわたって開催され、我々メディアにとっても241店すべてを回るのは大変な時間がかかり、いかに大きな商業施設かということを認識させてくれました。

 中央の吹き抜け部分を囲むように配列された店は、各店舗独自の内装で、商品展開も豊富。また、中には同じ銀座地区に路面店があるブランドもあり、「GINZA SIX」ではブランドの入門商品を扱い、もしお客様がさらに多くの商品を見たい場合は、路面店に案内するという。 

 元々「松坂屋」は江戸時代からの歴史のある呉服屋さん。その松坂屋が今から約100年前に銀座で初めてとなる百貨店を開き、百貨店の黄金時代の幕を開けました。しかし昨今の百貨店の売上減少傾向に歯止めがかからず、またインバウンド需要にもかげりが見え始めた今、まったく新しい業態にシフトしました。そのシフト変更は、現在の「大丸松坂屋」の親会社「J.フロントリテイリング」1社のみならず、「住友商事」「森ビル」「L キャタルトン リアルエステート」(LVMHグループをスポンサーとする不動産投資・開発会社)といったその道の大手が参画することによって実現したと言えるでしょう。

 内覧会当日、銀座中央通りは多くの人でにぎわい、また最近では珍しく日本語の会話が飛び交っていました。タクシーの運転手も「銀座を抜けるのにこんなに時間がかかるのは久しぶり」とぼやいていたほどです。

 日本で、いや世界で初めてという大規模商業複合施設「GINZA SIX」の誕生は、物の売れない時代と言われる昨今、どのようなインパクトを消費者に与えるのだろうか? またその試みは、東京オリンピック、パラリンピックを2020年に控え、観光都市を目指す東京にとって、どれだけ大きな魅力となるのだろうか? 「GINZA SIX」の誕生は、ただ1軒の百貨店の存亡とは意味合いが大きくちがいます。オープニングテープカットには「J.フロントリテイリング」「森ビル」「住友商事」のトップが姿を見せただけでなく、「LVMH」のベルナール・アルノー氏や安倍首相、小池東京都知事が出席したことからもそれは明らか。だれもがこの施設に大きな期待を膨らませているのです。

田居克人(Katsuto Tai)/marie claire style編集長

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