【4月27日 marie claire style】今シーズンの旬の香りを表現するなら、"フェミニン"のひと言に尽きるだろう。花々が軽やかに調和して、重なり合う透明感の高いフローラルは、日本女性に愛される香調でもある。なぜ、今この香りが注目されるのか? トレンドの背景にある世相や注目の女性像をひもときたい。

 2017年の春夏コレクションを賑わせた、ピンク色やフェミニンなスタイルと連動するように。香りの世界において、目下"女性らしいフローラル"が席巻している。

「ボトルも香りの印象もピンクを思わせるような、愛らしい花々の香りが目立ちます。ローズやジャスミンなど主役級の花が声高に主張するのではなく、複数の花々が軽やかに混ざり合う、調和の取れた香り。このトレンドは特にアジア地域で顕著です」とは、レ・ムエット代表 フレグランスエキスパート 藤井裕子さん。

 世界的にもアジア市場の注目度が高まっており、"桜の花"や"日本の梨"など、私たちになじみの深い香料を用いたフレグランスが増えているという。

「いずれも好感度の高い香りですが、調香にひとひねりあるのが特徴です。例えばバニラやカカオの甘さの中に、天日塩のソルティな香りを添える、という風に。誰にでも使いやすい一方で、どこか尖った部分があるんですね」(藤井さん)。

 このような香りが支持される背景には、SNSを介した現代特有のコミュニケーションも関係しているという。そう、香りは目に見えない分、"時代の気分"を敏感に察知するもの。

「現代の女性たちは、仕事で活躍する一方で、妻や母の顔も持ち合わせています。時間に追われ、役割を果たすことに懸命な日々の中で、"自身の女性らしさとは何か"を改めて確認したい。そんな気分が、フェミニンな香りに反映されているのかもしれません」(藤井さん)

■ICON

アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie
「ゲラン(GUERLAIN)」から5年ぶりに登場するフレグランスのミューズは、アンジェリーナ・ジョリー。女優であり、母であり、人道支援活動に情熱を注ぐ一方で、どこまでも女性らしく官能的。広告の意志ある表情は、まさに"モダンフェミニニティ"を象徴している。

クレマンス・ポエジー(Clemence Poesy
誕生以来、「クロエ(Chloé)」のフレグランスのミューズをつとめるクレマンス・ポエジー。生粋のパリジェンヌらしい着こなしと、飾らないライフスタイルが、多くの女性の共感を得ている。広告では、夕暮れのセーヌ川のほとりで見せる、女性らしい表情が印象的。

■プロフィール
宇野ナミコ(Namiko Uno
ライター歴22年。雑誌やWEB、広告等で美容の記事を執筆中。スキンケアからヘアケアに至るまで幅広い分野を精力的に取材し、分かりやすい文章に定評がある。

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「美容ライター宇野ナミコの寄り道BEAUTY」
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(c)marie claire style/photos: Hiroyuki Kodera(still)、composition & text: Namiko Uno