【4月19日 marie claire style】ボルドーで生まれたというと、なんだか他の地方より血が濃いような気がする。ワインのせいだろうか。作家ではフランソワ・モーリアック、フィリップ・ソレルスがいる。

 セザール賞の新人女優賞などに次々とノミネートされ、ベルリン映画祭の新人賞やフランスのロミー・シュナイダー賞を受けた女優ルー・ド・ラージュ(Lou de Laâge)は、フランス映画界の期待の星といわれ、ボルドー生まれの大型新人として注目されている。

「子供の頃から、女優になろうと思っていたの。ルイ・ド・フュネス、チャップリン、バスター・キートン。両親と観た映画のアクターたちに、夢中だったから」

 憧れたのが偉大な過去の喜劇役者たちというのは、今年27歳の女優に相応しくないかもしれないが、ともかく彼女を映画界に導いたのは、ローカル紙の記者だった父と、画家の母だったという。

 目標をみつけると一直線で、たいして不安もなくパリに向かったというから、やはり最初から肝が据わっていたのだろう。演劇学校に入るためにパリに住み始め、母親に「2年間は仕送りをするけど、後は自活しなさい」といわれた彼女のキャリアの滑り出しは、端から好調だった。演劇を勉強中に、アガサ・クリスティー(Agatha Christie)作品が題材のTVドラマの出演が決まり、品のいい令嬢風の顔立ちと官能的な唇で、有名化粧品ブランド「ブルジョワ(Bourgeois)」の口紅のコマーシャルにも出演している。

 1本目の長編映画『女の子が好き』の話がきたのは、ルーが21歳の時で、共演したのはサンローラン役でブレイクしたピエール・ニネ(Pierre Niney)だったという。

 それから数年後のある日、「うぬぼれな性悪女の役、やってみる気ない? とメラニー・ロラン(Mélanie Laurent)監督に声をかけられたの。すぐにやります、といったわ」

 こうして撮った映画が『呼吸─友情と破壊』だった。その後、彼女の演技は次第に認められていき、イタリアの監督ピエロ・メッシーナ(Piero Messina)からも『待つ女たち』のオファーがくるようになる。その作品では、堂々とベテラン女優、ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)と演技を競っていた。

 演技というのは、外見と違った役柄を演じる時に輝き始めるが、彼女のような清楚な美貌が、これからどのような作品に出会い、赤ワインの土壌で育った個性が、どこまで輝きを放つのか、今後も目が離せない。

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(c)marie claire style/text: Kasumiko Murakami