【3月25日 AFP】『ヴォーグ(Vogue)』誌で期待の新人として取り上げられ、ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)からも称賛された西崎暢(Mitsuru Nishizaki、38)は、日本のファッション界で注目される気鋭デザイナーだ。しかし、だからといって世界での成功が約束されているわけではない。

 西崎のブランド「ウジョー(Ujoh)」は先日、17/18年秋冬「アマゾン ファッション・ウィーク 東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」で新作を発表。いつもは控えめな反応を見せることの多い日本の観客だが、この日は大きな拍手と歓声が上がった。

 アップビートなテクノ音楽が流れる中、モデルたちはランウエーをウオーキング。そのプレッピーかつグランジなスタイルとスポーティーでしゃれたデザインは、ニューヨーク(New York)の街中で着ても場違いな印象を受けないだろう。

 タートルネックのニットにはサイドスリットが入っていたり、淡いピンクのトレンチコートはパーツごとに分解して着回すことができたりと、極めて着やすいコレクションだった。シャツには前と後ろの両方にボタンがついており、着る人が好きなようにスタイリングできる。白いソールにぎざぎざのイエローのすべり止めがついた黒い靴は、スニーカーとローファーを掛け合わせたようなデザイン。西崎が「シャーク(サメ)ソール」と表現するこの靴は、ジプシースタイルのスカートやピンストライプのスーツ、ベルベットのトラックボトムに合わされていた。

 西崎は、「ヨウジ ヤマモト(Yohji Yamamoto)」のパタンナーを7年間務めた後、2009年に「ウジョー」を設立。2015年に国際流通大手DHLの「デザイナーアワード」を受賞した。2016年に西崎がイタリア・ミラノ(Milan)でショーを開催した際には、アルマーニが自身の「アルマーニ テアトロ(Armani/Teatro)」を会場として提供してくれた。『ヴォーグ』はショーの後、「これが昨今のクールな少女たちの着こなし方だ」と評し、西崎の輝かしい未来を予想した。