【1月13日 AFP】英ブランド「バーバリー(BURBERRY)」が11日、ロンドン(London)で行ったファッションショーで、モデルの一人がカメラに向けて両の手のひらを開き、黒の大文字で書いた「BOWIE」という文字を見せる一幕があった。10日に亡くなった英歌手デヴィッド・ボウイ(David Bowie)さんに壇上で哀悼の意を示した。

 ファッションショーは「メンズファッションウィーク」の締めくくりに行われた。バーバリーのクリエイティブディレクターを兼任するクリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)最高経営責任者(CEO)はボウイさんのヒット曲に合わせ、最新のメンズコレクションをお披露目するために招待した数百人を歓迎。その上で、ボウイさんについて「文字通りのレジェンド(伝説的存在)だ。彼の創造力、スタイル、何をするにしても優雅な仕方に触れられなくなり、皆寂しく思うだろう」と悼んだ。

 ボウイさんは華々しく先見的なミュージシャンとして音楽的冒険に取り組む一方、変幻自在のイメージやスタイルの演出も試みた。最も有名な曲の一つはその名も「ファッション(Fashion)」だ。一部のファッショニスタからは「キング・オブ・スタイル」とあがめられ、最新アルバムの「★(ブラックスター、Blackstar)」のアートワークでは英デザイナーのポール・スミス(Paul Smith)氏とコラボレートしていた。

 ボウイさんを悼むファッション業界関係者の声はロンドン以外からも相次いだ。

 前衛的なデザインで知られ、ボウイさんから影響を受けた作品もあるフランス人デザイナー、ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)氏は、ボウイさんは「絶対的なロックスター」で彼自身が「崇拝の対象」だったと追悼。「その創造力、過剰なまでの豪華さ、物事を再発明するセンス、魅力、優雅さ、ジャンルを自在に遊ぶ感覚から個人的に刺激を受けた」と故人をしのんだ。(c)AFP/Edouard GUIHAIRE