【9月19日 MODE PRESS】監督/主演を務めるヴァレリー・ドンゼッリ(Valerie Donzelli)と共演のジェレミー・エルカイム(Jeremie Elkaim)、そしてその息子の間に起こった実話を基に感動の家族愛を描いた映画『わたしたちの宣戦布告』が15日から公開されている。

-ふたりの勇気ある挑戦を描いた本作

 その名前に与えられた運命のように、出会ってすぐに恋に落ちたロメオ(ジェレミー)とジュリエット(ヴァレリー)。息子アダムが生まれ、家族3人の幸せな生活が始まったが、アダムの様子がおかしいことに気付く。幼いアダムは、ラブドイド腫瘍という難病に侵されていた。回復の可能性は10%・・・。二人は途方に暮れ、絶望を叫びながらも、互いに励ましあい、助け合い、アダムを支えていくことを決意する。仕事もやめ、友達からも孤立し、毎日病院の無菌室に通う日々。ときにぶつかりながらも、絆を強めながら息子の病魔と闘っていく・・・。

 息子の難病という重いテーマであるのに、生き生きとした生命力や温かいユーモアが引き立って感じるのは、ヴァレリーが「自分たちの話だから、いかようにも自由に表現できた」と言うように、実体験をベースにしているからこそ。撮影は実際に入院していた病院で行なわれ、エキストラも使わず実際に働いている人を撮っている。日常のような映像にスピード感と緊張感を与え、映画全体を貫くような音楽も印象的だ。

-世界中から注目浴びる

 実際にカップルだったふたりの前に立ちはだかった息子の重病、そして闘病生活。それはときに厳しい現実に直面させられる一方で、深い家族の愛を再確認させてくれる。そんなシビアな内容をユーモアのセンスと独特の世界観でたくましく描いた本作は、口コミで話題を呼び、昨年フランスで公開された際には異例の大ヒットを記録した。また、アカデミー賞外国語部門のフランス代表やセザール賞作品賞をはじめとする6部門にノミネート。2011年カンヌ国際映画祭では批評家週間のオープニング作品として上映されるなど、世界中が注目している。映画『わたしたちの宣戦布告』は、Bunkamura ル・シネマほか全国で順次上映。(c)MODE PRESS