【8月30日 marie claire style】マニアックな水玉模様で一大センセーションを起こし、マドリード、パリ、ロンドン、ニューヨークといった世界の各都市を席巻していく草間彌生(Yayoi Kusama)は、時代や国境を超え、無限の増殖を続けながら、世界の現代アート界を揺るがしている。83歳という齢を感じさせないその創造の炎は、今も衰えることなく、燃え盛っている。

 ニューヨークのホイットニー美術館で、7月12日から開かれた草間彌生回顧展。そのオープニングから帰国したばかりの本人に会ったのは、「コム デ ギャルソン(Comme des Garcons)」の川久保玲(Rei Kawakubo)が銀座に生み出した「ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)」の店内だった。その日は19世紀半ばにパリで生まれた老舗ブランド「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と時代の最先端をいく草間彌生とのコラボから生まれた新製品が、そのアートな空間に期間限定で売り出されるというので、四辺は熱気に溢れていた。

 会見の冒頭は「ルイ・ヴィトン」のアーティスティック・ディレクター、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)との出会いから、コラボに至った経緯についてきいてみた。「ある日彼は私の3階建てのアトリエにきてくれました。二人で撮ったいい写真があります。2006年でした。知的で、とても明るい方でした。私たちは二人とも前衛の道を歩いてきたので、話していて共感することが多かったですね」

 どうやら、初対面から相手の感性を尊重したいい関係が生まれたらしい。そのためかマーク・ジェイコブスが創造したものに対して、草間は賞賛を惜しまない。

 もともと草間は、1960年代にはニューヨークで、ファッションを使ってアートなパフォーマンスをやっていた。いうなれば現在のようなアートとモードの融合した時代の、草分け的存在だったのだ。「みんながそういって評価してくれます。 私もずっと前は、前衛的なファッションを学んだこともありましたよ」

 美術史に刻まれる大輪の才能を開花させた草間にとって、今年はひとつの頂点だったのではないか。「いいえ、来年がもっと大変ですよ。なにしろ南米からアジア各地で巡回展をするの」

 草間のドット革命は、どうやら世界戦略のようだし、それもエンドレスらしい。「連日海外からいろいろな人たちが、私に会いに来てくれます」。輝きに満ちた大きな瞳が、ほほえんでいた。
(インタビュー・文 村上香住子)
(c)marie claire style

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