【8月15日 MODE PRESS】開館5周年を迎えた国立新美術館で8月8日から、日本を代表する二人のアーティストに焦点をあてた展覧会「与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄 」が開催されている。

 情感に満ちた豊かな色彩で形象を描き出す抽象画家の辰野登恵子(Toeko Tatsuno)と、人工建造物を捉えたモノクローム作品で知られる写真家の柴田敏雄(Toshio Shibata)は、東京藝術大学油画科の同級生。現在は、抽象画と写真という異なる分野の第一線で国際的に活躍しているが、在学中は、同級生の鎌谷伸一 を加えた3人で芸術グループ「コスモス・ファクトリー」を結成し、ともに表現を探求していた。ふたりの作品が共同展示されるのは、今回が約17年 ぶり。

 会場には、大学在学中の70年代から現代に至る辰野と柴田の代表作300点を展示。イントロダクションからはじまり、年代やテーマにそって分類されたふたりの作品を交互に紹介する。終盤では、互いの最新作が同じ空間で向かい合う構成になっている。

 内覧会に出席した国立新美術館の南雄介(Yusuke Minami)学芸課長は「ふたりには、偶発的で平凡なモチーフのなかから形象を見い出し、純度の高い抽象的な造形を生み出すという共通点がある」とコメ ント。辰野は「以前から、柴田氏と共に展示したいと切望していた」と語る。一方の柴田も「互いの作品を交互にみることで、それぞれの特徴が鏡のように照ら しあわされた」と語った。会期は、10月22日まで。

【イベント情報】
「与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄」展
会場:国立新美術館 企画展示室2E/東京都港区六本木7-22-2
会期:2012年8月8日(水)~10月22日(月)
開館時間:10:00 ~ 18:00(金曜は10:00 ~ 20:00)※入場は閉館の30分前まで
問い合わせ:tel. 03-5777-8600
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