顔面移植で拒絶反応、史上初の再移植 顔がない状態で2か月 仏

10月26日 18:04


顔面の再移植手術が行われた仏パリのジョルジュ・ポンピドー欧州病院(2014年11月7日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / THOMAS SAMSON


【1月20日 AFP】7年前に移植された顔面組織に拒絶反応が出た40代の男性が、約2か月間顔面がない状態で過ごした後、2度目の顔面移植手術を受けた。フランスの医療機関が19日、明らかにした。

 フランス生物医学機構のオリビエ・バスティアン(Olivier Bastien)氏によると、移植された顔面組織を別の顔面組織と置き換える手術は移植史上初だという。

 フランス生物医学機構と仏パリ公立病院連合(AP-HP)の共同声明によると、この男性は15日、パリの病院で手術を受けた。手術はほぼ丸1日かけて行われた。

 もともと移植されていた顔面は昨年11月30日に取り除かれ、男性は今回の手術まで治療のための人工的な昏睡(こんすい)状態に置かれ、生命維持装置につながれていた。

 声明によると、今回の手術は慢性的な拒絶反応が起きた場合に再移植が可能であることを示した最初の例だという。再移植した顔面が定着したかどうかが判明するまで数週間かかる見込み。

 世界初の顔面移植手術を受けたフランス人女性のイザベル・ディノワール(Isabelle Dinoire)さんは、手術から11年後の2016年4月、がんで亡くなった。

 医師らによると、ディノワールさんの体は移植組織に対する拒絶反応を示し、亡くなる頃には唇を部分的に使えなくなっていた。(c)AFP