クリーンな電気自動車で世界一周、「ゼロ・レース」始まる スイス

08月17日 16:30


スイス・ジュネーブ(Geneva)の国連(UN)欧州本部から世界一周レースに出発するオーストラリアチーム「TREV」(2010年8月16日撮影)。(c)AFP/FABRICE COFFRINI


【8月17日 AFP】クリーンな移動手段と、11月に開かれる国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(World Climate Conference、COP16)をPRしようと、オーストラリア、ドイツ、スイスの電気自動車チームが16日、スイス・ジュネーブ(Geneva)の国連(UN)欧州本部から、80日間かけて行われる「世界最長かつもっとも環境によい」世界一周レース「ゼロ・レース(Zero Race)」に出発した。 「ゼロ・レース」は、スイスの学校教師ルイ・パルメ(Louis Palmer)さんが主催し、国連が後援。パルメさんは2年前、太陽エネルギーで駆動するタクシーを運転し、道中で有名人を乗せながら18か月間で世界一周を達成して話題となった。  パルメさんは「石油は尽きかけていて、気候の危機も起きている。残された時間は少ないのです。このレースで、再利用可能なエネルギーとクリーンな移動が必要なことをこの惑星に暮らす70億人の人々に知って欲しい」と話した。  韓国チームも参加する予定だったが、国連欧州本部の60キロ手前で「バッテリーに小さな問題」が起きて故障し、スタートラインに立てなかった。  ゼロ・レースは、欧州、ロシア、中国、カナダ、米国を回った後メキシコ・カンクン(Cancun)で開催されるCOP16に立ち寄り、2011年1月にジュネーブに戻る。  レースに参加するプラグイン電気自動車は、1回の充電で250キロメートル以上走行できるが、各チームは自ら発電するか、風力、太陽光、水力などのクリーンエネルギーで発電した電力のみを使うというルールになっている。  パルメさんも乗るトレーラーの付いた小型バンで伴走する。このバンからの排気と、太平洋・大西洋を渡る際に使用する船舶からの排気はカーボン・オフセット(温暖化ガス削減活動への投資などで、排出した温暖化ガスを相殺すること)されるという。(c)AFP