【12月2日 AFP】キューバの首都ハバナに駐在するカナダや米国の外交官が2016年から相次ぎ謎の脳損傷を負った問題で、新たにカナダの外交官1人が同様の脳損傷と診断されたことを受け、カナダ政府は1日、外交使節のキューバ駐在を見直すべく、同国へ代表団を派遣する考えを明らかにした。

 この問題では2016年以降、カナダ人13人と米国人25人が、めまいや倦怠(けんたい)感、頭痛、バランス感覚の喪失、吐き気、集中力の低下など、不可解な症状に見舞われたと訴えている。

 カナダ外務省のリチャード・ウォーカー(Richard Walker)報道官はAFPに対し、「高官らによる代表団が来週キューバに戻り、現在の業務を見直し、どうすればわが国の外交職員へのリスクをさらに減少させられるか判断する」と述べた。

 ウォーカー報道官は、カナダはあらゆる選択肢を検討していると述べたが、詳細は明らかにしなかった。

 同国政府は先月29日、現在キューバに駐在する職員について、本人が希望する場合は帰国を認めると発表した。

 カナダと米国の当局は当初、何らかの音響兵器による攻撃があったとみていたが、カナダ政府は後に、その可能性は「考えにくい」と結論付けた。

 米国の医師や当局者らは「新たな種類の後天的脳損傷の可能性」を指摘。この説は、米国外交官21人の治療に当たった米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の医療専門家らが2月、米国医師会雑誌(JAMA)で発表していた。(c)AFP