【11月2日 AFP】海が過去25年間に吸収した熱の量はこれまでに考えられていたよりも多かったとの研究論文が、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。地球が気候変動の影響をより受けやすくなっていることをうかがわせる内容だ。

 海は地球表面の3分の2を占めており、生命維持に極めて重要な役割を果たしているが、国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最新の評価によると、人間が排出した二酸化炭素によって上昇した気温の熱量の90%を海が吸収している。

 しかし、今回ネイチャーに発表された研究は新しい海水温の測定方法を用い、海がこの25年間、世界の発電量の最大150倍に相当する熱エネルギーを毎年吸収してきた可能性があると指摘。これは以前の研究で示されてきた数値よりも1.1~1.7倍高い。

 従来の研究では温室効果ガス排出により生じる余剰熱を測定していたのに対し、今回の研究に参加した米国拠点の研究チームは自然界に存在する酸素と二酸化炭素に着目。

 どちらの気体も水に溶けるが、水温が上昇するにつれて溶ける量は減少する。研究チームはこの特性を利用し、大気中の酸素と二酸化炭素の量を毎年測定することで、地球規模で海が吸収した熱の量を推定した。

 研究チームは当初、海の熱吸収量はこれまでに考えられていた量の1.6倍だったと結論していたが、一部の科学者が論文の内容に異論を唱えた後、計算の誤差に誤りがあったことを認め、最終的には1.1~1.7倍との数値に落ち着いた。

 論文執筆者の一人、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)スクリップス海洋研究所(Scripps Institution of Oceanography)のラルフ・キーリング(Ralph Keeling)氏は米紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューン(San Diego Union-Tribune)に対し、「この誤差は、正確な海水温上昇幅をはかるには大きすぎる」と述べている。

 IPCCは、今世紀末までの気温上昇を1.5度以内に抑えるため、思い切った措置が必要だと警鐘を鳴らしている。しかし、世界の二酸化炭素排出量は2017年に過去最高を記録した。(c)AFP/Patrick GALEY