【10月5日 AFP】日焼け止めに広く使用されている紫外線をカットする成分が周辺の水域を汚染し、人体にも害を及ぼす可能性があるとの研究結果が4日、香港で発表された。

 香港浸会大学(Hong Kong Baptist University)の研究チームは記者会見で、香港の海水と、養殖場の魚、エビ、イガイから、一般的に日焼け止めに使用されている7種類の化学物質が「大量に」検出されたと述べた。

 研究を率いたケルビン・レオン(Kelvin Leung)博士は、「食物連鎖に沿って人間にまで達するこれらの汚染物質の影響と、人間の生殖能力に対する長期的影響を無視することはできない」と語った。

 実験は、人間と似たゲノムを持つ小型熱帯魚のゼブラフィッシュを使って行われた。その結果、汚染された水から問題の化学物質が食物連鎖に入り、ゼブラフィッシュの胚に異常をもたらし、死亡率を引き上げたことが分かった。

 香港浸会大学は、今回の研究は世界で初めて、日焼け止めに含まれる複数の化学物質に起因する害を特定したものだと説明している。研究チームは今後も実験を継続し、日焼け止めの成分が人体に及ぼす影響について研究を進めるという。(c)AFP