【9月12日 AFP】世界保健機関(WHO)は12日、報告書を発表し、欧州全体でがんの罹患(りかん)率が引き続き増加傾向にある一方、死亡率は減少していると明らかにした。

 報告書によると、WHOが「欧州地域」に分類する53か国で全人口の約2.4%が2014年にがんに罹患し、2000年から50%増加した。

 ただ、がんの種類や国ごとの増加率には大きなばらつきがあり、スウェーデンやノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドといった北欧の国々ではがんの罹患率は平均の約2倍に当たる5%だった一方、ベラルーシやジョージア、ロシアなど独立国家共同体(CIS)を構成する旧ソ連10か国ではわずか1.8%だった。

 また、乳がんの罹患率は欧州地域全体で女性10万人当たり110人となり、2000年から2014年にかけて30%増加した。

 しかし一方で乳がんの生存率も増加傾向にあり、乳がんの死亡率は2000年に女性10万人あたり23.8人だったのが、2015年には20人にまで減少している。

 さらに子宮頸(けい)がんの死亡率は欧州連合(EU)域内で1970年代と比べて半減しており、2015年には女性10万人あたり3人だった。

 地域ごとでばらつきや例外もみられるものの、気管腫瘍、気管支腫瘍、肺がんの死亡率も欧州全体では減少傾向にあり、2000年から13%減少した。(c)AFP