■政治的意思が必要

 ベトナムの地方では、他のアジアの国々と同じようにごみ収集があまりされていない。システミク(SYSTEMIQ)の海洋プラスチック・アジア地域部門の責任者ジョイ・ダニエルソン(Joi Danielson)氏によると、これが大量のプラスチックが海に流入する数ある原因の一つだという。

 最大のプラスチック排出5か国では、ごみ全体のうち適切に収集されているのは平均で約40%に過ぎない。

 オーシャン・コンサーバンシーによると、現在の排出量が続けば世界の海洋のプラスチックごみの量は、2025年までに2億5000万トンに倍増する見通しだ。

 プラスチックごみの問題はアジア各地を脅かしているが、これは解決策がある危機だと専門家は指摘する。

 ソーシャルメディアを使ったプラスチックの利用禁止を求めるキャンペーン活動や、英国人ダイバーのリッチ・ホーナー(Rich Horner)氏がインドネシアのバリ(Bali)島沖をごみに囲まれて泳ぐ動画などは、一般の人々の関心を高めるきっかけとなった。

 ごみ収集制度を改善し、プラスチックの消費を削減することが、次の重要なステップだ。オーシャン・コンサーバンシーは、新たなプラスチック素材とプロダクトデザインの開発、廃棄物からのエネルギー回収と廃棄物の燃料化制度へのさらなる投資も呼び掛けている。

 ルンディン氏は、現時点で最も障害となっているのはおそらく政治的意思だという。

「これはロケット工学のようなものではない。政治家がすべきことを決断すれば、直せないところはない」と指摘した。(c)AFP/ Jenny VAUGHAN and Asia bureaus