■平均6秒に1人が死亡

 たばこは、回避可能な死につながる筆頭要因だと専門家らは指摘する。

 WHOによると、能動または受動喫煙によって毎年700万人以上が死亡しており、また、たばこの消費で平均6秒に1人の命が奪われているという。たばこに関連する主要な疾患には、がんや心臓発作、脳卒中、肺がんなどがある。

 20世紀中、たばこが原因で1億人の命が奪われた。今のペースが維持された場合、21世紀中に最大10億人が死亡することも考えられるとWHOは注意を促している。

 医学誌BMJ発行の専門誌「タバコ・コントロール(Tobacco Control)」に掲載された2017年1月の論文によると、世界の医療に関する支出約6%と世界GDPの2%近くは、喫煙に関連したものだという。その額は、2012年に世界全体で14億3600万ドル(約1560億円)に上り、このうちの40%を発展途上国が占めていた。

■利益と生産

 WHOはタバコ栽培に使用されている土地面積について、世界全体で約430万ヘクタールに上るとしている。これは、スイスの国土とほぼ同じ面積だ。

 ユーロモニター・インターナショナルによると、年間に販売されるたばこの総量は6800億ドル(約74兆円)に相当するとされ、また、たばこ生産量では中国が首位に立っており、原料のタバコ栽培でも世界全体の40%を占めると「たばこアトラス(Tobacco Atlas)」は報告している。

 同報告書によると、世界の喫煙者らが消費するたばこは年間約5兆7000億本に上り、1分あたり110万本近くとなる計算だという。(c)AFP/Olivier THIBAULT