■「より早期の治療と診断が可能に」

 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文では、被験者がさまざまな身体動作を行う間にヘルメット型スキャナーで被験者の脳磁場の画像を撮影した実験結果が示されている。

 実験では、ラケットとボールで遊んだり、紅茶をすすったりなどの被験者が行う活動によって特定の脳部位に生じる電気的活動の大きな違いを測定することに成功した。

「脳磁場の状態を表す詳細な画像を外から撮影できる」ため、被験者がさまざまな課題に臨むのに伴って、どの脳部位が活性化するかを研究者は確認することができるとブルックス氏は説明している。

 他方で、UCLのギャレス・バーンズ(Gareth Barnes)教授は「外科医師が手術のターゲットを定め、施術を迅速化する上で、このセンサーが助けになるだろう」と想定されるメリットについて語った。不要な一部外科手術を特定し、より早期の治療と診断も可能にするとしている。

 研究チームはすでに、カスタマイズ性をさらに向上させたバイクヘルメット型スキャナーの開発に取り組んでいる。これにより、画像精度を成人で4倍、子どもで20倍に向上させた脳画像を提供できる可能性があると、研究チームは予測している。

「この技術は、神経科学および臨床の広範な応用分野にわたる大変革をもたらす可能性を秘めている」と論文は述べている。(c)AFP