【3月20日 AFP】オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ(New South Wales)州で18日に森林火災が発生し、南部沿岸部では住宅100棟以上が焼失するなどの被害に遭った。20日までにほぼ鎮火したが、アスベスト(石綿)の飛散や建物倒壊の恐れから、住民は帰還できずにいる。

 高温と乾燥した気候の中で火は突風にあおられて燃え広がり、南部沿岸部のタスラ(Tathra)では2日間で住宅69棟が焼失し、39棟が損傷。30あまりのトレーラーハウスや小屋が燃えた。

 避難住民用のバスで自宅の被災状況を確認できた住民もいるが、アスベスト飛散や切断された電線、建物崩壊など安全上の懸念があることから、住民らが所持品などを取りに自宅に戻れるのは早くても21日になるという。

 当局の担当者は報道陣に、建物の火災現場には大量のアスベストが浮遊しており、吸い込むと深刻な肺疾患を発症する恐れがあると説明した。

 何百人ものタスラの住民は19日、消火活動が続くなか、近郊のベガ(Bega)にある避難所で一夜を過ごした。

 ニューサウスウェールズの消防当局者によると、20日朝までに南方の火災はほぼ鎮火したが、1000ヘクタール以上が焼けたという。(c)AFP