【3月23日 AFP】オーストラリアのサウスオーストラリア州で、英国人の富豪で実業家のサンジーブ・グプタ(Sanjeev Gupta)氏が、世界最大規模の蓄電施設を建設するという計画が16日、当局によって明らかになった。同州では昨年、米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)および宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)が建設した蓄電施設が稼働したが、グプタ氏の施設はこれを上回る規模になる見込みだという。

 グプタ氏の英エネルギー大手、GFGアライアンス(GFG Alliance)は昨年、経営危機に陥ったオーストラリア鉄鋼・鉄鉱石中堅アリウム(Arrium)を買収。同氏の計画する出力120メガワット、容量140メガワット時の蓄電施設は、アリウムのワヤラ製鋼所(Whyalla Steelworks)の新しい太陽光発電施設をサポートする。

 サウスオーストラリア州は、2016年の「前例のない」暴風雨で州全域が停電に見舞われた経験から、再生可能エネルギーの開発プロジェクトの推進に力を注いでいる。

 グプタ氏の蓄電施設はアデレード(Adelaide)の北約300キロにあるポートオーガスタ(Port Augusta)に建設される予定で、ジェイ・ウェザリル(Jay Weatherill)州首相率いる州政府から1000万オーストラリアドル(約8億円)の助成金を受けるという。

 マスク氏の蓄電池施設はアデレード北郊のジェームズタウン(Jamestown)に建設され、2017年に稼働を開始した。出力100メガワット、容量129メガワット時で、フランスの再生エネルギー企業ネオエン(Neoen)が運営する風力発電所に接続されている。(c)AFP