【2月28日 AFP】トルコ南部アドゥヤマン(Adiyaman)の裁判所は、勤務先の学校の生徒18人に性的虐待を加えていた用務員の男に禁錮571年11か月25日という異例の判決を言い渡した。同国の複数メディアが27日伝えた。トルコでは子供の性的虐待が社会問題になっている。

 男は勤務していた男子高校で常習的に生徒らをレイプしたり寝ている生徒らのベッドに忍び込んだりしていたと日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)は報じた。

 ヒュリエトと民営ドアン(Dogan)通信によると、裁判所は「児童性的虐待」を含む複数の罪で男を有罪とし、男子生徒18人に対する性的虐待のそれぞれについて禁錮30年としたほか、他人の自由を剥奪した罪、わいせつ罪、恐喝罪など複数の罪で約32年の禁錮刑とし、合わせて禁錮571年11か月25日を言い渡した。

 報道によれば、男は2012年からアドゥヤマンにあるイスラム教の導師(イマーム)や説教師(ハティプ)を養成する宗教職業学校(イマーム・ハティプ学校)に勤務。校内に居住するようになった13~15年のある時点から生徒らに殴るなどの暴行を加えたり、無理やりポルノ映画を見せたり、喫煙を強要したりしていたという。

 トルコではこの1週間に2件の児童虐待事件が相次いで報じられ、国民から怒りの声が上がっていた。人権擁護団体が引用しているトルコ司法省の統計によると、トルコにおける児童性的虐待の件数は2006 年の3778件から2016年には2万1189件へと急増している。

 トルコ政府は小児性愛者に対し性的衝動を抑制する薬物を投与する「化学的去勢」の実施を検討すると発表している。(c)AFP