【2月27日 AFP】オーストラリアの航空安全当局は27日、同国の航空会社の旅客機において、飛行前の点検で置き忘れた用箋はさみ(クリップボード)がエンジンに吸い込まれ、そのまま離陸する事態が起きていたことを明らかにした。

 この事態が起きたのは昨年10月27日。当局によると、ニュージーランドのオークランド(Auckland)発、豪シドニー行きの豪格安航空会社「ジェットスター(Jetstar)」機で、地上勤務職員が手荷物を機内に積み入れた後、書類の束を挟んだ用箋はさみをエンジンカバーに置き、持ち帰るのを忘れてしまったようだという。また、最終確認を行った職員が置いたままになっている書類に気付いたものの、離陸前に回収されるものと思ったという。

 しかし、エンジン始動時に用箋はさみは吸い込まれてしまい、機体が地上走行に入ると紙切れが滑走路に散乱。クルーたちは離陸した後まで事態に気付かず、同機は結局、オークランドに引き返す羽目となった。

 豪運輸安全局(ATSB)の発表によると、「エンジンが整備士らによって検査され、エンジン内の至る所から紙が見つかった」「また、整備士は切り刻まれた金属片も発見した」という。

 ATSBによるとジェットスターは以降、エンジンカバーに物を載せない旨などを注意事項に加えた。(c)AFP