■膵臓がんについては国際的に解明努力の必要あり

 一方、膵臓(すいぞう)がんは全世界で死亡率が依然として非常に高く、5年生存率が概して15%未満となっている。

 論文の共同執筆者で、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical Medicine)の研究者のミシェル・コールマン(Michel Coleman)氏は「急速に死に至るこのがんの危険因子を解明するための国際的な取り組みを拡大させる必要がある」と指摘した。

 同大学院のクラウディア・アレマニ(Claudia Allemani)氏主導の下で多数の専門家とがんに関する記録を収集、保存している施設300か所以上が集結して実施されたCONCORD-3では、がん患者3750万人分のデータを対象に分析を行った。これは2000~2014年に世界で診断された患者全体の4分の3に相当する。

 今回の調査には、欧州から31か国、アジアから17か国、ラテンアメリカから13か国などが参加した。アフリカはデータ不足のため、6か国しか参加していない。(c)AFP/Marlowe HOOD