【1月30日 AFP】インド政府は29日、毎年発表している経済調査報告書で、男児の誕生を切望する親が息子を授かるまで子どもを産み続けるため、「望まれない女児」が推定で2100万人存在すると発表した。

 インドでは一家の稼ぎ手や跡継ぎは息子だと考えられており、親が息子の誕生を望むことが常とされてきた。同国では花嫁側が多額の持参金を用意する慣習が根強く、娘は金銭的な負担とみなされることも多い。

 直近の国勢調査によると、同国の男女比は男性1000人に対し女性は940人にしか満たない。胎児の性別による中絶は違法だが、この男女比の差は違法中絶も一因とされている。

 毎年発表される経済調査報告書で、インド政府は希望する人数の息子が生まれるまで子どもをもうける夫婦が多いと指摘する。

 インドの夫婦、中でも女性は男児を出産しなければならないという重圧を受けている。また遠隔地の家庭では女の子を学校に通わせず、若くして結婚させてしまうことも多い。

 報告書によると同国の息子偏重は発展の過程に深く根差すもので、富裕層の家庭も例外ではないという。

 2011年に英医学専門誌ランセット(The Lancet)で発表された研究では、インドで過去30年間に女児であるという理由で行われた妊娠中絶は最大で1200万件に上るとしている。(c)AFP