【1月17日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、米国の現行移民制度は国家の安全保障を弱体化させるものだと批判した。トランプ政権は、未成年の時に親に連れられて入国した「ドリーマー」と呼ばれる移民70万人の強制送還を猶予する救済措置の撤廃を支持するよう連邦最高裁判所に求めている。

 トランプ大統領は、アフリカ諸国やハイチからの移民を「肥だめ国から来た連中」と呼んだと報じられ国際的な批判を浴びたばかりだが、現行の移民制度とテロの脅威を関連付けて移民問題に主眼を戻そうとしている。

 ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官が発表した、司法省と国土安全保障省の最新報告書によると、2001年9月11日の米同時多発攻撃以降に米国の裁判所でテロ関連の有罪判決を受けた549人中、4分の3近くが外国生まれで、このうち148人が米国への入国後に市民権を得ていた。また、合法、非合法にかかわらず、多くの潜在的なテロリストの入国を防いだとしている。

 トランプ氏は16日夜、報告書のウェブサイトへのリンクをツイッター(Twitter)に投稿。移住希望者に抽選で永住権(グリーンカード)を付与する「移民多様化ビザ抽選プログラム」などの廃止に向けた政府の取り組みを支持する姿勢を示した。

 米議会の超党派グループは11日、トランプ氏と移民改革をめぐる会合を行い、「ドリーマー」を国外追放しないことと引き換えに、移民の家族の呼び寄せや「移民多様化ビザ抽選プログラム」を制限することを議論したが、同氏はアフリカ諸国やハイチからの移民に言及し、「肥だめ国から来た連中をなぜ受け入れなければならないのか」と述べて批判していたとされる。(c)AFP/Paul HANDLEY