【8月3日 AFP】保守的なインド北西部で、女性だけで構成された警察官部隊が、男性が大半を占める警察に新しい風を吹き込んでいる。彼女たちは性犯罪や、レイプに対して沈黙する文化と闘うため、街をパトロールする。

 そのうちの一つ、ラジャスタン(Rajasthan)州ジャイプール(Jaipur)の部隊は、バス停、大学、公園など、女性がセクシュアルハラスメントを受けやすい場所をパトロールしている。

 インドでは女性たちが街中に出ると、わいせつなジョークや後をつけてくる者――しばしば悪意のない「からかい」として片付けられる――から物理的な攻撃、レイプまで、さまざまな性的嫌がらせを受ける恐れがある。

 5月下旬に創設されたジャイプールの女性部隊を率いるカマル・シェカワット(Kamal Shekhawat)氏は「私たちが発したいメッセージは、女性に対する犯罪を一切容赦しないということだ」と語った。

 インドの性犯罪の発生件数はおぞましいほど多く、毎年約4万件のレイプ事件が報告されている。しかし、被害者が自分の訴えがどう処理されるのかを警戒して届け出ないこともあり、実数はそれよりもはるかに多いと考えられている。

 インドの警察官は男性が圧倒的多数を占めており、女性はわずか7%にすぎない。被害者はしばしば外見で判断されたり、事件について根掘り葉掘り聴かれたり、犯罪を招いたと非難されることさえあると活動家らは主張している。

 男性支配が根強いインド社会においてレイプ被害は恥とされ、報復の恐れもある。そのため多くの性犯罪が通報されず、性犯罪者が野放しになっている。

 シェカワット氏は、ジャイプールのより多くの女性がパトロールをする女性警察官の存在を目にすることで、親身になって話を聴いてくれる人がいることを知り、性犯罪者を告発するようになってほしいと願っている。