【6月23日 AFP】認知機能の衰えを食い止めるには、クロスワードパズルや言語学習が効果的と長年言われてきたが、50代以上の定期的な性交渉にも同様の効果が期待できるとする最新の研究結果がこのほど発表された。

 米医学誌「老年学ジャーナル(Journals of Gerontology)」に今週発表された英国チームの研究では、50歳から83歳までの男性28人女性45人を対象に認知能力のテストを実施。その中で、「週1回」「月1回」「全くしない」など、どのくらいの頻度で性交渉を持っているかを質問した。

 性交渉を週1回以上持っている被験者グループは、言葉がすらすら話せるかを調べる「言語流ちょう性」テストと、複雑な設計図を書き写させたり記憶だけを頼りに時計の文字盤を描かせたりする「空間視覚能力」テストの点数が高かった。

 英国のコベントリー大学(Coventry University)とオックスフォード大学(Oxford University)の研究チームは、「性行為の頻度を増やすことが、認知力を高めることに対応している可能性がある」と研究論文で指摘している。論文は、性交渉の回数を増やすことが精神の鋭敏さを全般的に向上させることを示唆する研究結果に基づくものだ。

 研究チームは今後の研究で、今回の結果を説明するために、ドーパミンやオキシトシンなどの生物学的要素が性行動と脳機能との関係にどのように影響しているかを見ることも視野に入れているという。

「年を重ねても親密な関係を維持することに関して、今回の研究結果は重要な示唆を与えている」と論文は結論づけている。(c)AFP