【6月9日 AFP】フィリピン南部における同国軍とイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系武装勢力との戦闘で避難を余儀なくされた市民20万人以上が、死に至りかねない衛生面のリスクに直面していることが分かった。複数の援助団体が9日、明らかにした。

 赤十字国際委員会(ICRC)は雨期の到来により状況が悪化する可能性もあると警告し、すでに下痢や呼吸器疾患といった病気が急増しているのを確認したとしている。

 ICRCフィリピン支部のホセ・アミーゴ(Jose Amigo)氏は、「衛生面での状況は今のところ危機的ではないが、長引く避難で今後状況が悪化する可能性を懸念している」と語った。

 フィリピン政府によると、南部ミンダナオ(Mindanao)島のマラウィ(Marawi)での戦闘により、およそ24万人が避難を余儀なくされているという。

 今回の戦闘は2週間以上前に発生し、武装勢力の戦闘員数百人がISの黒い旗を掲げてマラウィ市内を荒らしまわった。

 ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は武装勢力の攻撃がミンダナオ島に拠点を築こうともくろむISの企ての一環と主張し、事態沈静化のため同島を含む周辺地域に戒厳令を布告した。(c)AFP