■仮説裏付ける「滝つぼ」の発見

 穴は、1960年代と1970年代に英仏海峡トンネル(Channel Tunnel)の予備調査の一環として、海底で試験孔の掘削が行われた際に偶然発見された。

 これらの穴は、いわゆる「滝つぼ」だと研究チームは考えている。滝つぼは通常、大きな滝の真下の河床が削り取られてくぼみになった部分だ。穴はいずれ大きくなり、滝の壁面がもろくなって崩壊する可能性もある。

 研究チームは、最新の水中音波探知機(ソナー)による海底スキャン調査と、異なる岩石層を識別するためにエネルギーのパルス反射を用いる「地震反射法」と呼ばれる技術を使って、これらの巨大な穴のうちの7個がカレーとドーバーの2つの港の間をつなぐ直線上に並んでいることを発見した。ドーバーは、氷河湖説に登場する地稜の端に位置する。

 同チームはさらに、イギリス海峡の海底では、大量の水が流出したことを示す古代の巨大な谷の痕跡も確認している。(c)AFP/Richard INGHAM