【2月23日 AFP】現在最も有効な抗マラリア薬とされるアルテミシニン(Artemisinin)に一部耐性を持つマラリア原虫がアフリカで初めて発見されたとの調査結果が22日、発表された。アフリカの子どもを中心に毎年数億人が感染しているマラリアへの対策に懸念が生じている。

 マラリアは蚊が媒介する感染症で、東南アジアでは既に同様の薬剤耐性があるマラリア原虫が発見されている。

 2015年の世界のマラリア患者は2億人以上、死者は約43万8000人に上った。その多くはアフリカの子どもたちだ。

 米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された論文の筆頭著者で、サウジアラビアのアブドラ王立科学技術大学(KAUST)のアーナブ・ペイン(Arnab Pain)教授は、「現時点ではアルテミシニンをベースとした併用療法(ACT)が唯一有効で広く採用されている抗マラリア薬治療で、アルテミシニンへの耐性がアフリカで拡大すれば、マラリアとの闘いに大きな打撃となるだろう」と述べた。

 ペイン氏はその上で、「アルテミシニンへの耐性について世界で定期的な調査をすることが非常に重要だ」と語った。

 江蘇省寄生虫病防治研究所(Jiangsu Institute for Parasitic Diseases)らの報告書によると、アルテミシニンに耐性を持つマラリア原虫が見つかったのは、赤道ギニアから中国に渡航した中国人患者からだという。(c)AFP