【1月27日 AFP】ロシア下院は27日、ドメスティックバイオレンス(DV)に対する罰則を軽減する法案を可決した。ただ、家庭生活に国が口出しすべきではないとの主張の下で改正が進められる一方、国内で大きな問題となっているDVの被害者から身を守るすべを一層奪うものだとして、活動家らは激しい非難の声を上げている。

 今回の改正案は定数450の下院議会で、賛成380、反対3の大差で可決された。同法案は今後上院での承認を経た上で、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の署名により正式に法制化される。

 与党議員のアンドレイ・イサエフ(Andrei Isayev)氏は「ロシアの代議士たちは西欧のような過剰さを認めないことを示したい」と述べ、欧州の子どもたちは自分たちの思い通りになるよう、両親の親権を失わせる「親についての密告」を行うと語った。

 改正法案は配偶者や子どもを含む家族への暴力について、初犯かつ大けがをさせていない場合に限って、最大3万ルーブル(約5万7000円)の罰金刑とするもの。現行法では、深刻なけがをさせていない場合、家族に対する暴力は暴行罪に問われ、最長で2年の禁錮刑が科されうる。

 国の統計によると、DVに関する犯罪は2015年に4万9579件発生し、うち3万5899件が女性に対する暴力だったという。(c)AFP