【1月27日 AFP】男女の性差についての固定観念は6歳までという早い時期に現れ、女児の間で「女性は頭が良い」と思う傾向が弱まり「男性は頭が良い」と思う傾向が強まることが26日発表の研究論文で明らかになった。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載されたこの論文は、5歳から7歳の間の就学前後の子ども400人に一連の課題を与えた研究に基づくもの。

 ある課題では、子どもたちに「とても頭が良い」人についての短い物語を、その人物が男性か女性かのヒントは与えずに聞かせた。

 5歳児では、男女とも等しく「とても頭が良い」人は自らと同性だとする傾向があった。ところが研究論文によると、6歳と7歳では、「女児は男児に比べ、自分たちの性を頭の良さに関連付ける傾向が著しく低かった」。

 また研究では、男2人女2人のうち学校で好成績を収めるのはどちらと思うかを質問した。女児は好成績を収めるのは女児と答え、年齢の差で回答に違いはなかった。女児は学業成績と頭の良さを別個のものとして認識していると研究論文は指摘している。

 さらに、頭の良い子向けのゲームと努力をする子向けゲームの間ではどちらを選ぶかの質問では、6歳と7歳の女児は男児よりも頭の良い子向けゲームに興味を示さない傾向がみられた。

 米イリノイ大学(University of Illinois)アーバナ・シャンペーン(Urbana-Champaign)校の研究者で同論文の主執筆者の辺琳(Lin Bian)氏は、研究結果は女性の職業選択に重要な示唆を与えているとし、物理や哲学など、一般的に頭の良さと関連付けられている分野を避ける結果となっている可能性があると述べている。

「女性が子どもの頃から、賢さと男性を関連付けるステレオタイプをどのように、いつ身につけるのか、理解するのは重要だ」と辺氏は語っている。(c)AFP