【1月24日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)新大統領の姿勢に対抗し、中国は「米国に敬意を払わせるために」核兵器を強化すべきだとする主張を24日付の国営英字紙・環球時報(Global Times)が掲載した。

 扇動的な言葉とタカ派の論調で知られる同紙がこうした主張を掲載するわずか数日前、習近平(Xi Jinping)国家主席はスイス・ジュネーブ(Geneva)の国連(UN)欧州本部での演説で「核兵器のない世界」の実現を呼び掛けていた。

 しかし最近、中国のソーシャルメディア上に同国の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)とされる写真が出回ったことを受け、環球時報はこれらの写真はトランプ大統領への警告として人民解放軍がリークしたものだとする一部の報道を紹介し、そうしたメディアは「これは中国に関するトランプ氏の挑発的な発言に対する中国政府の回答だとみなしている」と述べた。

 20日に米大統領に就任したトランプ氏は、貿易や国家安全保障の分野での強気な発言でこれまで中国をいら立たせてきた。

 23日にはトランプ新政権のショーン・スパイサー(Sean Spicer)大統領報道官が、中国が軍事利用可能な人工島を複数建設し、周辺国間の領有権争いが起きている南シナ海(South China Sea)で、米国は自国と国際的な利益を「守る」と述べて中国をけん制した。スパイサー報道官は「もしも(中国の)人工島が事実、国際水域内にあり中国の領土の一部でないならば、わが国はそれが一国によって乗っ取られる状況から国際的な利益を守る」と語った。

 これに対し中国政府は24日、南シナ海における「わが国の権益を断固として守る」と警告した。中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は同日の定例会見で「中国は南シナ海とその周辺水域に疑う余地のない主権を有している」「米国は南シナ海問題の当事者ではない」と述べた。(c)AFP