【10月17日 AFP】中国政府は昨年10月、人口減少と高齢化に対処すべく、これまでの「一人っ子政策」を廃止し、夫婦に2人目の子どもを持つことを認める「二人っ子政策」を導入した。だが短期間での人口増加は望めないとする英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の研究員、テレーズ・ヘスケス(Therese Hesketh)氏らによる研究論文が14日、英医学専門誌ランセット(Lancet)に掲載された。

 論文は、労働人口の減少と急速な高齢化に対する二人っ子政策の効果が実感できるまでには、少なくとも20年かかると結論付けている。

 中国は1979年、人口の抑制を目的に一人っ子政策を導入。同政策は厳格かつ時には容赦なく施行され、1970年に5.9だった出生率は、1990年代後半には約1.6まで激減。逆に現在は深刻な人口減少問題に直面している。

 7月の政府発表によると、中国における60歳以上人口は約2億2000万人で全人口の16%を超えた。労働人口も減少の一途をたどり、2050年までに23%も減少するとみられている。

 一人っ子政策には、望まない女児を妊娠した場合の中絶が急増したことなど、負の側面がある。

 また、論文は現在の傾向として、結婚できない男性が2020年までには3000万人を超えるだろうと指摘している。(c)AFP