【10月11日 AFP】ドイツの情報機関、連邦憲法擁護庁(BfV)のハンス・ゲオルク・マーセン(Hans-Georg Maassen)長官は10日、先週末に逮捕したシリア人のジャベル・アルバクル(Jaber Albakr)容疑者(22)が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の名の下で、ベルリン(Berlin)にある空港の爆破を企てていたと発表した。

 同長官はドイツ公共放送ARDに対し「情報によると、彼は当初鉄道を狙っていたが、最終的にベルリンにある空港の1つを標的に定めた」と語った。

 一部の現地メディアは、アルバクル容疑者が空港への攻撃を企てていたと報じていたが、実際に空港が標的にされていたことをドイツ当局関係者が認めたのは初めて。

 警察は8日、アルバクル容疑者のアパートを急襲し、1.5キロ以上の自家製の爆発物「TATP」を発見したが、同容疑者は警察の包囲網を突破し逃走していた。

 TATPは仏パリ(Paris)とベルギー・ブリュッセル(Brussels)の襲撃事件でイスラム過激派が使用した爆発物。アルバクル容疑者のアパートにあったTATPについて、現地警察の捜査主任は「ほぼ完成し、使うこともできる状態だった。恐らく自爆用ベストとして使用しようとしていたのだろう」と述べた。

 追跡は2日間に及んだが、警察はアルバクル容疑者と同じシリア人3人からの情報提供を受け、東部ライプチヒ(Leipzig)で逮捕に至った。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は、アルバクル容疑者の逮捕に大きく貢献したとして、この3人に感謝の意を示した。(c)AFP